当科の心臓麻酔

東北大学病院は心臓血管麻酔専門医認定施設であり,緊急手術を含め年間300症例ほどの心臓大血管手術が行われています。弁膜症,冠動脈疾患,大動脈疾患,先天性心疾患などの一般的な症例に加え,経皮的大動脈弁置換術(TAVI)や左室補助人工心臓(LVAD),心臓移植術,肺移植術など“大学病院ならでは”という症例も経験可能です。また,当院の非心臓手術を受ける患者さんの中には,Eisenmenger症候群,Fontan循環,肺高血圧症,拡張型心筋症など重篤な心機能障害をもつ患者さんもおり,ハイリスク症例の周術期管理を通じて,高度な循環管理を学ぶこともできます。

当院はハイブリッド手術室を備え,多様な循環モニタリング装置, Point of Careの凝固検査装置など心臓麻酔・循環管理を行う上で設備も充実しています。現在は心臓手術のみならずハイリスク症例の周術期循環管理に経食道心エコー(TEE)は欠かすことのできないものとなっており,当院の手術室には3D対応の超音波装置を3台(ICUに1台),小児・新生児にも対応可能なサイズのプローベも各種有しております。TEEに関しては若い先生方の関心も高いと思いますが,東北大学麻酔科ではJB-POTを取得している者が多く,実臨床でのTEEの活用法やJB-POT試験対策なども学べると思います。その他にTEEケースカンファランスの実施やスキルスラボでのTEEシミュレーターを用いた研修なども行なっております。

心臓麻酔やハイリスク症例の麻酔は経験豊富な上級医とともに行ってもらいます。上級医とともに術前診察・麻酔計画,術中管理(TEE指導含む),ICUでの術後管理と総合的な周術期管理を学んでもらいます。また東北大学病院の麻酔科専門医研修プログラムでは,関連施設も含め,新制度の麻酔科専門医取得に十分な症例数を確保しております。さらに心臓血管麻酔専門医を目指す先生方には,学会発表なども含めた教育プログラムも準備しております。

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