インテンシヴィストから

Intensive Care Unit

 集中治療(ICU)というと皆さんはどのようなイメージでしょうか。重症な患者様が沈静下に抑制されており,人工呼吸器が作動し,モニターのアラームが響く殺伐としたイメージでしょうか。それとも詳細な指示が必要で怖そうな先生と看護師さんがいるイメージでしょうか。

 ICUの世界的な流れは ”Less is More.” です。ICUは特殊な環境です。患者様が少しでも早くICUを退室できるように安定させ,一般病棟にお戻りいただきます。そして一日も早く,普段の生活に戻っていただく事を目標にしています。そのためには,短時間で評価し,介入し,結果を確認する,そしてICUを一日でも,1時間でも早く出られる状態にすることが重要です。現在では十分に苦痛を取り除いた上で,挿管されていたり持続透析中であっても,浅い鎮静で,リハビリを行なったりコミュニケーションを取っています。多くの患者様がテレビを鑑賞できています。

 当院ICUはセミオープン方式のICUで,主治医科の先生方の治療効果が最大限になるようにサポートしています。各診療科とコミュニケーションをとり,治療方針と患者様の希望を加味した上で,治療方針を決定しています。ICUは,特に多職種連携の重要な部門の一つと考えています。私たち集中治療医,各診療科医師,看護師,薬剤師,理学療法士,臨床工学技士らとともに議論しながら最善の治療を模索しています。

 症例も豊富で,ECMOやLVADなどの体外循環,希少疾患管理,現在国内で可能である全ての臓器移植の術後管理等を経験することが可能です。また最先端の取り組みとして,多角的鎮痛のため,エコーガイド下神経ブロックを積極的に取り入れています。 Post-Intensive Care Syndrome: PICSの予防にも力を入れていきたいと考えています。

もちろん集中治療専門医の取得が可能であり,私どもの麻酔科,ペインクリニックの研修もジョイントすることが可能です。またシフトが明確なので,子育て世代,介護など家庭の事情でも働きやすい環境です。様々な環境でも,ICUの患者様の1日も早い回復を願う想いは皆同じです。その共通の想いのもとに,ダイバーシティを尊重して運営しています。国際学会発表のサポートや学位取得,キャリアプランニングも積極的に行なっています。一緒に東北大学麻酔科で集中治療に携わって見ませんか!

ページのトップへ戻る